相続について
相続とは何!?
相続の開始は被相続人の死亡からとなります。(※失踪宣告も含む)
相続というのは、亡くなった人(被相続人という)の権利や義務といったものを相続人が受け継ぐことです。基本的には誰かが亡くなることによって相続が発生します。相続によって受け継ぐ財産は資産などのプラスのものだけでなく、負債のようなマイナスのものもあわせてに受け継がなくてはなりません。
相続が開始したら、被相続人が遺言書などを残していないか確認する必要があります。
▼遺言書がある場合
原則として、相続財産は遺言書のとおりに分けられます。
▼遺言書がなかった場合
相続財産の分け方を相続人の全員できちんと話し合って決めて行く形になります。
※遺言書が見つかったものの、公正証書遺言ではない場合には、遺言書を家庭裁判所に持っていき「検認」という手続をしてもらう必要があります。
遺言書は封印されている場合は、検認などをする前に勝手に開けて確認してはいけません。
その後、亡くなった方(被相続人)の戸籍謄本などを収集して、戸籍上誰が相続人に値するのかをきちんと確認します。
戸籍謄本などは亡くなった方(被相続人)が、生まれてから亡くなるまで全て記載された戸籍謄本や除籍謄本など必要な情報を全て収集する必要があります。もちろん、相続される財産がどれぐらいあるのかも調査して、全ての情報が揃ったうえで相続財産を分けて行く形になるのです。
ここで注意が必要です。それは土地や現金・株などのプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も存在することです。
相続放棄について
相続財産を調査した結果、プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合、最終的には相続をしたくないという結論を出すことがあるかと思います。そういった場合、家庭裁判所にて相続放棄の手続きをすることが可能です。
相続放棄の手続きをする為には期限もあります。それは、相続開始があったことを知ったタイミングから3ヶ月以内になります。
事情によって、3ヶ月以内で相続を放棄するのかしないのかを決められないといったケースや、相続人の中には複数の負債を抱えてしまっていて、期間内で調査を完了させることができないなどの場合には、家庭裁判所に許可をもらって、期間を延長することができます。
遺言書の作成について
遺言書の作り方
遺言書の事を「遺言」(「ゆいごん」、法律用語では「いごん」)と言い、満15以上で、正常な判断力を有していれば、誰でも遺言を作成することができます。遺言は、法律で定められた形式に則って作成しておかないと、無効となってしまいます。遺言は、以下の4種類の方式に分類することができます。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
- 特別形式(死亡の危急に迫った者、伝染病隔離者、在船者、船舶遭難者の遺言)
遺言書を作成する場合は、通常1~3の中から一つを選び、作成することになります。それぞれの主な特徴は次の通りとなります。
自筆証書遺言 | 遺言者が一人でも作成できるので、安くて簡単に作りたい人向けです。 |
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公正証書遺言 | 公正証書として作成するため、多少時間と費用がかかっても争いとなりにくい遺言です。 |
秘密証書遺言 | 遺言の内容を秘密にできるので、内容について誰にも知られたくない人向けです。 |
遺言の執行
遺言書を保管していた人は、相続開始を知ったらすぐに家庭裁判所に遺言書を提出してください。家庭裁判所にて検認をしてもらいます。
もし被相続人がこっそりと遺言書を作成していて、相続人の1人が遺言書を見つけた場合も同様で、家庭裁判所ぶて検認を受けてください。
ただし、先ほども記載したように公正証書遺言の場合には、家庭裁判所で検認する必要はありません。
遺言書がきちんと封をしていた場合は、家庭裁判所に持っていき、相続人や相続人の代理人が立ち会ったうえで、開封しなければいけませんので、覚えておいていただければと思います。
遺言執行者
遺言執行者とは、亡くなった後に遺言書に描かれている内容に沿って進めていくための事務を行う人のことをいいます。具体的には、
- 相続財産について、相続財産目録というものを作成して、相続人に通知・交付をします。
- 相続財産目録に記載された相続財産は、遺言執行に必要な対応を遺言執行者が行います。例えば不動産の名義変更や不動産の換価など
- 相続人が自分の不利益だと思って勝手に相続財産を処分したり妨害する行為を防止します。
この遺言執行者は遺言にこの人にやってほしいと指定することもあります。
遺言執行者が決まっていなかったり、遺言執行者がすでに亡くなってしまった場合などは、家庭裁判所にて、遺言執行者を選任してもらうことも可能です。
民事信託(家族信託)
残された家族の幸せのために、遺言ではできない相続の問題を民事信託(家族信託)によって託すことができます。
例えば2次相続
遺言で財産を奥様に残したとします。
奥様の亡き後、残されたご子息に財産を相続させたい場合
遺言ではできません。
民事信託(家族信託)では信託者のニーズに合わせてプランをご提案し
ご家族全員ご了承のもと、資産承継の形を作れます。